SPDY(スピーディー)は、Webページの表示にかかる時間を短縮するために米グーグルが開発したプロトコル。同社は最初の仕様「SPDY Protocol-Draft 1」を2009年11月に発表し、現在は「Draft 3」までを公開している。RFC化を目指してIETFにも提案中だ。

 SPDYの特徴は、Webページを表示するためのプロトコルであるHTTPをそのまま使いながら、表示速度を上げようとしている点である。具体的な高速化手段としては、まず1つのTCPコネクション上で複数のリクエストを並列にWebサーバーへ送れるようにしたことが挙げられる。これにより、従来のHTTPにある制約を解消しWebページの表示を高速化できる。

 ほかにも、Webページの表示を高速化するための様々な機能を備えている。例えば、冗長なHTTPヘッダーを圧縮したり、送受信するリソースの容量を制御したりできる。クライアント側で早く表示したいリソースを指定して、優先的に送ってもらうことも可能だ。クライアントから要求のあったリソースの情報を基に、Webサーバー側で今後クライアントが要求しそうなリソースを先読みして送ってしまう機能も持つ。

 当初はグーグルのWebブラウザーChromeと同社が提供するWebサービスくらいしかSPDYに対応していなかった。しかし最近では、Twitter、Facebookなどほかの大手WebサービスがSPDY対応を進めており、注目が集まっている。WebブラウザーのFirefoxがバージョン13からSPDYを標準で有効にしたり、グーグルがWebサーバーソフトのApache上で動作するSPDY対応モジュールを公開したりと、徐々に対応範囲が広まりつつある。