図 イーサネットのレイヤー構造(NTT未来ねっと研究所の石田修氏の図を参考に作成)
図 イーサネットのレイヤー構造(NTT未来ねっと研究所の石田修氏の図を参考に作成)
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 イーサネットは、一般的なLANで最も利用されている、データリンク層と物理層のプロトコルだ。インタフェース速度や媒体ごとに異なる物理層(レイヤー1)と、それらに共通なMAC副層(レイヤー2の下半分)の二つを規定する(図)。イーサネットの仕様はIEEE 802.3で規定している。

 物理層ではコネクターの形状やケーブルの仕様、ケーブル上での電気信号の波形などを規定している。かつては同軸ケーブルを採用していたが、現在は「より対線」が主流になっている。ただし、2010年に仕様が固まった40G/100Gイーサネットでは、光ファイバーを使う規格が中心となっている。

 データリンク層の下半分はデータを転送するためのパケットであるMACフレーム(イーサネットフレーム)を規定する。MACフレームとは、IPパケットの先頭にMACヘッダーを、最後にFCS(誤り検出用ビット)を付けたもの。このMACフレームを連続的に送り出すことで通信が行われる。

 MACヘッダーには送信元端末のMACアドレスと、宛先端末のMACアドレスが入っている。このMACアドレスを基にデータをやり取りする。一方、イーサネットの上位レイヤーであるIPは、IPアドレスで宛先にパケットを送る。