図 タブレット端末を意識したユーザーインタフェース「Metro Style」
図 タブレット端末を意識したユーザーインタフェース「Metro Style」
タイル状のボタンのUI。キーボードやマウスを使わず、タッチパネルで操作する。従来のデスクトップ環境も用意されている。図下は「Windows Store」。画面は開発途中のもので、正式版では変更される可能性がある。
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 Windows 8は、米マイクロソフトがWindows 7に続く新しいクライアントコンピュータ向けのOS(クライアントOS)として開発中のものだ。同社は2011年12月時点で、Windows 8のリリース時期や仕様などを明らかにしていない。これまでのクライアントOSの開発スケジュールをかんがみると、おそらく2012年後半、早ければ8月前後にリリースされそうだ。またWindows 8という呼び方自体、仮のものだ。機能面の目玉として、新しいユーザーインタフェース(UI)の「Metro Style」と仮想化ソフト「Hyper-V」を搭載するとみられる。

 Windows 8の最大の特徴は、タブレット端末を大きく意識した設計になっていること。それが、タッチパネル向けUIのMetro Styleの搭載と、ARMプロセッサーへの対応である。ARMはタブレット端末やスマートフォンのCPUに多く採用されている。Metro Styleとは、現在のデスクトップに代わるもので、起動後のStart画面はタイル状のボタンが並ぶデザインになる(図上)。ユーザーは、このボタンをタッチしてアプリケーションを起動する(マウスを使っても操作可能)。

 さらにマイクロソフトは、Windows 8の登場に合わせてオンラインストア「Windows Store」をオープンする(図下)。Windows 8用のソフトウエアを販売するもので、米アップルのiOS向けのApp Storeや、米グーグルのAndroid OS向けのAndroid Marketを意識した設計になっている。

 Windows 8のもう一つの特徴は、仮想化ソフトのHyper-Vを標準搭載すること。マイクロソフトが、クライアントOS向けにハイパーバイザー型の仮想化ソフトを提供するのは初めてだ。Windowsには既に、サーバー向けOSであるWindows Server 2008にHyper-Vを標準搭載したエディションがある。またクライアントOSでは、Windows 7の一部のエディションで、仮想化ソフトのVirtual PCを使ったWindows XPとほぼ同等の機能を持つ仮想マシン環境「XP Mode」が用意されている。このVirtual PCは、ホスト型だったため、仮想マシンを稼働させる際のオーバーヘッドが大きかった。Windows 8では、ハイパーバイザー型のHyper-Vを利用でき、仮想マシンの性能を引き出しやすくなる。