BusyBoxは、標準的なLinuxコマンドを一つのバイナリファイルにまとめたソフトウエアです。LinuxをOSに採用する家電製品やネットワーク機器、モバイル端末などの組み込み機器で広く使われています。
組み込み機器で利用できるCPUやメモリーのリソースは限られています。そこでBusyBoxでは、Linuxの標準的なコマンドから余計や関数やオプションなどのコードを削ぎ落とし、各コマンドでコードを共用してプログラムサイズを抑えています。
BusyBox開発者のBruce Perens氏は、BusyBoxをDebian GNU/Linuxのインストールディスク用に開発しました。一通りの作業ができるコマンド群を、フロッピーディスク1枚に収めるのがBusyBoxの目的です。ディレクトリやファイルを一覧する「ls」から、ディスク管理ツールの「fdisk」まで、300を超えるコマンドの機能を備えています。
BusyBoxを使うには、BusyBoxのバイナリファイルをインストールしたうえで、「busybox ls -l」のように直接実行するか、「ls」や「vi」といったコマンドのシンボリックリンクを作成します。コンパイル時に、不要なコマンドを省くなどのカスタマイズも可能です。