<b>図●インストールに必要なものを1個にまとめた「パッケージ」</b>
<b>図●インストールに必要なものを1個にまとめた「パッケージ」</b>
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 Linuxが採用しているアプリケーションの配布形態。アプリケーションによっては、正常に動作させるためには「ライブラリ」と呼ぶ別のプログラムを必要とすることがある。パッケージは、こうした動作に必要な各種プログラムやファイルをまとめたものである。バイナリ形式の「プログラム本体」、そのプログラムが動作するのに必要な「ライブラリ」や「設定ファイル」、手順書のような「ドキュメント」で構成している(図1)

 パッケージは、ディストリビューションごとに形式が異なる。Ubuntuは「deb形式」、Fedoraでは「rpm形式」を採用している。パッケージをインストールするには、Ubuntuでは「dpkgコマンド」、Fedoraでは「rpmコマンド」を使う。例えば、hoge.debというファイル名のパッケージであれば、次のように実行すればインストールできる。

$ sudo dpkg -i hoge.deb

 オプションの「-i」がインストールの実行を意味する。アンインストールするときは「-r」を指定する。

 Linuxディストリビューションでは、公式にサポートしているパッケージを「公式リポジトリ」と呼ぶサーバーで一元管理している。公式リポジトリのサーバーがどこにあるのかを意識する必要がない。ユーザーがインストールしたいパッケージの名称を指定するとLinuxのシステム側で、公式リポジトリを自動的に探して指定されたパッケージをダウンロードし、さらにインストールまでを実行してくれる。この一連の仕組みを「APT」と呼ぶ。

 APTを使うためのコマンドとして「apt-get」が用意されている。例えば、hogeというパッケージをインストールするには、次のように実行する。

$ sudo apt-get install hoge

 dpkgコマンドではファイル名を指定していたが、apt-getコマンドではパッケージの名称を指定することろが、大きな違いになっている。アンインストールするには「install」の代わりに「remove」と指定する。

 なお、apt-getコマンドでインストールを実行するときは必ず、Linuxのシステム側で管理している公式リポジトリのリストを最新版にしておく。

$ sudo apt-get update