図1●GPT利用時のハードディスク構成
図1●GPT利用時のハードディスク構成
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 最大8Z(ゼタ)バイト(約86億Tバイト)までの容量に対応できる、ハードディスクのパーティション管理の仕組みです。「MBR」(Master Boot Record)に置き換わる仕組みとして開発されました。

 PCでは、ハードディスクのパーティション管理にMBRが広く使われています。このMBRは、ハードディスクのセクターを32ビットのデータで管理します。つまり、最大232個のセクターを扱えます。通常のハードディスクは1セクター当たり512バイトなので、MBRでは232×512バイト=約2Tバイトまでの領域しか管理できません。一方、GPTではセクター管理に64ビットのデータを使用します。そのため、最大8Zバイトまでの領域を管理できます。

 GPT利用時のハードディスクは図1のような構成になります。従来使われていたMBR領域は「PMBR」(Protective Master Boot Record)として取り扱われます。PMBRには、GPT領域およびGPTパーティション領域を保護するためのダミーのパーティション情報を、MBRと同じ形式で記録します。これは、GPTを理解できない従来のパーティション管理ツールやディスク管理ツールによってパーティション内のデータを破壊されないようにするためです。

 なお、多くのPCに搭載されるBIOSはGPTをサポートしておらず、GPTパーティション上のOSを直接起動できません。そのOSを起動するには、BIOSに変わる高機能なファームウエア「UEFI」(Unified Extensible Firmware Interface)に対応したマザーボードを利用するか、MBRとGPTを併用するかのどちらかの方法を用います。