仮想サーバー環境を丸ごとレンタルできるサービスのこと。仮想化ソフトを使うことで、1台のホストサーバー上に複数の仮想的なサーバーを構築できる。VPSは、こうして構築した仮想サーバーを提供する。1台のホストサーバーを共有する点では、共用型のサーバーレンタルサービスと共通している。だが、仮想サーバーそのものはユーザーごとに専有できるリソースである。サービスの内容や使い勝手という点では、専用型のサーバーレンタル並みのサービスといえる。

 クラウドサービスでも、VPSサービスと同じように仮想サーバーを丸ごと貸し出すサービスが存在する。米Amazon Web Services LLCの「Amazon EC2」たニフティの「ニフティクラウド」である。クラウドと比べてVPSは、スペックに応じた月額固定の課金体系、サーバーリソースは基本的に固定、ローカルIPアドレスを利用できないといった違いがある。こうした違いから2つの用途は、クラウドが大規模システムの基盤向け、VPSが単一の公開サーバー向けに分かれる。

 2008年ころから月額1000円以下で利用できる格安なVPSが登場し始めた。大阪市に本社を置くITベンダーのココスペースが、2008年5月に月額900円でサービス提供を開始した。2010年に入ると一段と低価格が進み、日本ラッドが同年3月、これまで月額900円で提供していたVPSサービスを、スペックそのままで同450円に下げた。2010年4月には、個人向けインターネット接続事業者のドリーム・トレイン・インターネットが、月額480円でVPS市場に参入した。

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記事本文が途切れた状態で公開していました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2011/02/04 13:00]