Linuxカーネル2.6.34で標準実装されたファイルシステム。複数のストレージシステムに対して、データを分散管理する仕組みを実現する。クライアントは、通常のファイルシステムと同じ使い勝手のまま、ペタバイトという大規模な分散ファイルシステムを利用可能になる。ただし、Linuxカーネルに組み込まれたとは言え現段階では安定して動作せず、試験的な実装という位置づけにある。米IBM社の技術者が開発を進めている。

 「メタデータ・サーバー」「オブジェクト・ストレージ・クラスター」「クラスター・モニター」の3つのサーバーで構成している。メタデータ・サーバーは、ファイルの保管場所(メタデータ)を管理するサーバーである。オブジェクト・ストレージ・クラスターは、ファイルの保存場所となる。クラスター・モニターは、すべてのクラスターを監視して障害を検知する役割を担っている。クライアントは、メタデータ・サーバーと連携してファイルやディレクトリなどの情報を参照する。参照した情報を元にして、オブジェクト・ストレージ・クラスターとファイルをやり取りする仕組みなっている。

 Ubuntu 10.10の場合、「sudo apt-get install ceph」と実行すれば必要なパッケージをインストールできる。メタデータ・サーバー、オブジェクト・ストレージ・クラスター、クラスター・モニターのホスト名とSSH公開鍵を、あらかじめ設定しておく必要がある。