携帯電話機やネットワーク機器などの組み込み用途で広く普及する「ARMプロセッサ」を搭載したモバイル端末。OSはLinuxを実装し、インターネット接続に特化した用途を想定している。端末のサイズは、スマートフォンよりも大きく、ネットブックよりも小さい。米Qualcomm社と米Freescale Semiconductor社が2009年6月ころに提唱した。

 米インテルが提唱するネットブックとは、実装するプロセッサやOSが異なる。ネットブックは、省電力を重視した「Atomプロセッサ」を実装している。OSはマイクロソフトのWindowsが主流である。端末のサイズはノートPCよりもやや小さいがキーボードを備え、パソコンと同様な使い勝手を可能にしている。

 国内ではシャープが開発/製造を手掛けている。同社が2009年8月に発売した「NetWalker PC-Z1」は、Freescale Semiconductor社のプロセッサとUbuntu 9.04のLinux OSを搭載している。2010年4月には、NetWalker PC-Z1からキーボードを省いた「NetWalker PC-T1」を発売した。プロセッサとOSの仕様はNetWalker PC-Z1を継承している。

 このほか、KDDIが2010年6月上旬にスマートブック「IS01」を発売する予定。Qualcomm社のプロセッサを搭載し、米Googleが開発した携帯端末向けOS「Android 1.6」を実装している。5インチのタッチパネル式液晶ディスプレイとQWERTY配列のキーボードを供え、見た目には小型のパソコンである。IS01はシャープが製造/供給している。