米Googleがネットブック向けに実装するOS「Chrome OS」のオープンソース版です。同社のWebブラウザ「Chromeium Browser」(製品版の名称は「Google Chrome」)の利用に特化していることが特徴です。ログイン後の画面には、Chromeがディスプレイ一杯に表示されます。ローカルには基本的にWebブラウザ以外のアプリケーションをインストールできません。代わりにメール・サービスの「Gmail」やスケジュール管理の「Google Calendar」、文書管理の「Google docs」といったオンライン上のサービスを利用することを想定しています。

 2009年7月に取り組みが明らかになり、同年11月にオープンソース・コードが公開されました。Ubuntuがベースになっています。パッケージ管理もdeb形式です。Ubuntuに比べると、対象機器をx86系またはARM系プロセッサを搭載したパソコンに限定し、用途もWebアクセスに特化して不要なパッケージを大幅に削ってあります。一方、ログイン画面やウインドウ・システムなど独自の専用パッケージを追加してあります。処理性能の低いロー・スペックのパソコンでも高速に動作させることができます。

 実装するWebブラウザのChromeium Browserは、Chromium OSに特化した仕様になっています。一目で分かる違いは、表示される情報です。Chromeium Browserの右上には、時刻やバッテリー残量のインジケータ、ネットワーク接続のステータスなどが表示されています。これから分かるように、GNOMEなどのデスクトップが備える機能を、Webブラウザで実装しているわけです。Chromium OS起動直後にブラウザがディスプレイ一杯に表示されるのは、ブラウザそのものがデスクトップの位置づけにあるためです。

(掲載した情報は、2010年3月末時点の情報です)