クラウドコンピューティングの要素技術「キー・バリュー型データストア(KVS)」を採用し、Rubyで開発された分散ストレージ。楽天の研究開発部門である楽天技術研究所が開発し、2009年10月にオープンソースソフトとして公開した。これに先駆け2009年夏から、楽天が「楽天トラベル」など自社サービスの一部機能を対象に活用している。

 KVSはリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)よりもデータ構造が単純な分、複数のコンピュータで分散処理しやすく、応答速度を高めやすいとされる。データの急増に柔軟に対応できるとして、大規模なWebサイトを運営する国内外の企業が開発に力を注いでいる。

 ROMAは標準で3台のサーバーでデータを複製し、分散保存することで耐障害性を高めている。また、拡張性の高さも特徴の一つである。利用側が追加コマンドをRubyで開発し、プラグインとして自由にROMAに追加できる。データの格納先をRuby標準のRubyHashから、「Tokyo Cabinet」や「SQLite」のような他のストレージシステムに変更することも可能だ。