ノート型パソコンは小型軽量になるほど、バッテリー容量を小さくし、CPU(中央処理演算装置)の動作速度を低めに抑え、画面を小さくせざるを得なくなります。このため、小型軽量化を追求したノート型パソコンは「価格の割には性能が中途半端」として、なかなかヒット商品が生まれにくいといわれてきました。

 しかし台湾のパソコン大手、華碩電脳(アスーステック)が2008年1月に日本で発売した1kg前後の重さの「Eee PC」シリーズは一時は店頭で品切れになるほどの人気を呼びました。このように低価格で小型軽量なノート型をネットブックと呼ぶ動きがあります。インターネットをウェブブラウザーで閲覧するのには十分な性能を備えながら、実売価格が5万円前後と安いことが人気を得た理由です。競合するパソコン大手も同様な製品を投入し始めています。

 ネットブックという呼称を提唱したのはCPU大手の米インテルで、画面は10インチ以下、OS(基本ソフト)はリナックスかウインドウズだとしています。ネットブック向けに消費電力が小さいCPUが出荷されており、2008年冬現在で動作周波数は1.6ギガ・ヘルツ(ギガは10億)が主流です。

 主に個人向けに売られていますが、5万円前後の安さは魅力的なので、企業にも今後導入が進む可能性があります。