図1 SR-IOV対応のPCIデバイス。ハードウエア側で調停を行います。
図1 SR-IOV対応のPCIデバイス。ハードウエア側で調停を行います。
[画像のクリックで拡大表示]

 Single Root I/O Virtualizationの略であり,PCIデバイス側で仮想化をサポートする規格です。PCIバス規格を管理している「PCI-SIG」(PCI Special Interest Group)により2007年10月に策定されました。

 従来,複数の仮想マシンから送られてきた1つのPCIデバイスへのI/O要求は,ハイパーバイザが調停して要求を一本化し,デバイスから返ってきた結果を仮想マシンに振り分けるソフト処理が必要でした。

 しかし,SR-IOVに対応したデバイスがあれば,この処理をPCIデバイス側で行います(図1)。ハードウエアによる処理であるため,パフォーマンスの大幅な向上が期待できます。

 米Intel社の「82576ギガビット・イーサーネット・コントローラ」などの電子部品がこの規格に対応しています。2009年9月に開催された開発者向けフォーラム「Intel Developer Forum」では,米LSI社が同社のRAIDコントローラ「MegaRAID」製品でSR-IOVのデモを実施しています。