デジタルフォトフレームとは、JPEG画像などの写真を表示する小型ディスプレイを持つ機器のこと。スライドショーや動画・音楽の再生といった機能を備えるものもある。

 写真はパソコンを使えば表示・閲覧できるが、パソコンの操作や設定が難しいと考えるユーザーもいる。デジタルフォトフレームは用途が限定されるが、比較的簡単に操作できる。こうした機器は「ノンPC」などと呼ばれる。

 現在、デジタルフォトフレームの多くは、本体に挿したメモリーカードなどのメディアに記録された写真を表示している。ところが最近は、無線LANや3G(第3世代携帯電話)の機能を備える製品が登場。ネットワーク接続対応の動きが盛んになってきた。これらのデジタルフォトフレームは、写真が添付されたメールを受信して写真を本文と共に自動的に表示したり、写真共有サービスのWebサイトから写真をダウンロードして表示したりできる。メモリーカードだと、郵送などによる送付でどうしてもタイムラグが生じる。ネットワークなら、即座に送れるため素早く写真を見られるわけだ。

 純粋な写真だけではなく、写真を含む様々なコンテンツも、ネットワークにつながったデジタルフォトフレームならより便利に見ることができる。NTT東日本が2009年12月にフィールドトライアルを始めた待受情報配信サービスは、無線LANでネットにつながりタッチパネル操作で情報を見られる「光iフレーム」(仮称)と呼ぶフォトフレームを使用する。例えばこの機器をキッチンに持ち運び、パソコンよりも簡単な操作で新しい料理のレシピを見るといった使い方ができる。

 さらに利便性を高めるサービスとして、ネットワークを通してデジタルフォトフレームを設定したり表示内容を変えたりできるものもある。NTTドコモが同社のデジタルフォトフレーム向けに提供している「お便りフォトサービス」では、デジタルフォトフレームの管理者が、表示させる写真や画面の明るさ、点灯と消灯の時間までWebサイトで設定できてしまう。ネットワークの世界でいう「マネージド」だが、こうした使い方が広がることで「ノンPC」としての魅力が一層増していくわけだ。