PCの電源投入時に,OSを呼び込む「ブート・ローダー」と呼ぶプログラムの一つ。多くのLinuxディストリビューションで一般的に使われている「GNU GRUB」の新版という位置づけである。具体的には,GRUBのバージョン1.9系以降を指す。Ubuntu 9.10などが既にGRUB2を採用している。

 ブート・ローダーは一般にハード・ディスクの先頭にある「MBR」という領域に記録される。PCの電源を投入すると,BIOSが起動され,BIOSがブート・ローダーを呼び出す。その後,ブート・ローダーがカーネルを読み込む。

 従来の「GRUB Legacy」では,OS管理するハード・ディスクの区間にGRUB本体の一部(stage2コード)を格納していた。このため,OSの入れ替えなどによりうっかりstage2を消してしまうと,GRUBが機能しなくなっていた。特に,複数のOSを起動時に選択できる「マルチブート環境」では問題となっていた。

 GRUB2では,MBRに続くエリアにブート・ローダーのコア部分を格納する。OS管理下の領域には「モジュール群」を置き,万が一,OS管理下のエリアが消去されても,「レスキュー・モード」より,最低限の機能を提供できるようにした。