md(multiple devices)サブシステムは,複数のブロック・デバイスをさまざまに組み合わせて,仮想的な物理ボリュームを提供するための機構です。一般にソフトウエアRAIDを実現する用途に使われますが,同一のデバイスに複数のアクセス・パスを用意する「マルチパスI/O」を実現する際にも使われます。

 mdサブシステムがサポートするRAIDレベルは,冗長性を備えて安全性を高めるRAID-1,RAID-4,RAID-5,RAID-6,RAID-10,入出力速度向上に使われるRAID-1などです。そのほかディスクを単純に連結して,大きな容量の仮想ディスクを作成する使い方にも対応しています。

 これらのRAIDレベルの設定やディスクの管理には,「mdadm」という管理コマンドを使います。また,mdデバイスの動作状況は,/proc/mdstatファイルなどを通じて調べられます。