図1 アプリケーションの利用から仮想マシン貸しまで,すべてがクラウド・サービス
図1 アプリケーションの利用から仮想マシン貸しまで,すべてがクラウド・サービス
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 PaaSの「P」は「Platform」の頭文字で,主にアプリケーションの実行環境を提供するサービスを指す。米グーグルの「Google App Engine」や米マイクロソフトの「Windows Azure」,米セールスフォース・ドットコムの「Force.com Platform」などのサービスが該当する。

 アプリケーションの実行環境としてだけでなく,システムの開発環境やソフトウエアのテスト環境として使われることもある。SaaS(software as a service)と異なり,PaaSではユーザーがアプリケーションを用意し,そのメンテナンスや管理もユーザーが行う。

 IaaSの「I」は「Infrastructure」,HaaSの「H」は「Hardware」の頭文字で,主に仮想マシンを貸し出すサービスを指す。「仮想マシン貸し」と呼ぶこともある。IaaS/HaaSでは一般に,ユーザーはOSを含めたシステムを構築する必要がある。さらにOSを含めて管理しなければならない。

 IaaS/HaaSの具体例としては,米アマゾン・ドット・コムの「Amazon EC2」が挙げられる。ただしAmazon EC2では,あらかじめセットアップ済みの仮想マシン(実体はファイル)が用意されており,それを選択するだけで利用できる。そのため使い勝手はPaaSに近い。