写真1 データ通信アダプタ。イー・モバイルのD23HW。
写真1 データ通信アダプタ。イー・モバイルのD23HW。
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図1 ドライバや接続ソフトでモデムとして認識する。
図1 ドライバや接続ソフトでモデムとして認識する。
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 ドライバや接続用ソフトを収録したCD-ROMを必要とせず,データ通信用アダプタをパソコンに挿すだけですぐに使えるようにする機能です。多くのUSBスティック型のデータ通信用アダプタ(写真1)に採用されています。
 データ通信用アダプタの動作に必要なドライバや接続用ソフトウエアは,本体内部のフラッシュ・メモリーに保存されています。パソコンにアダプタを挿した際,アダプタはUSB接続のCD-ROMとして認識されます。CD-ROMと認識されれば,OSの自動実行機能が動作し,インストーラが起動してドライバや接続用ソフトウエアをパソコンに導入します。導入されたドライバや接続用ソフトによってデータ通信用アダプタとして正しく認識され,通信が行えます(図1)。
 ゼロインストールに対応したデータ通信用アダプタであれば,ドライバや接続用ソフトウエアを収録したCD-ROMを製品に添付する必要がありません。また,USBポートさえあれば,光学ドライブを備えないパソコンにもドライバや接続用ソフトを導入できます。ネットブックなどの小型ノートPCには,とても便利な機能です。
 ただし,ゼロインストールは対応OSが決まっているため,他のOSでそのアダプタを使いたい場合に不便なことがあります。例えば,Linuxです。データ通信アダプタの多くは,モデムのように制御できます。そのため,専用ドライバや接続用ソフトが提供されていないLinuxでもデータ通信アダプタの多くが使えました。ゼロインストール対応のデータ通信アダプタの場合は,専用のドライバがないと,USB接続のCD-ROMとしてしか認識されず,モデムのような制御ができません。
 「USB_ModeSwitch」というUSBのモードを切り替えるフリーソフトが開発されていますが,モード切り替えにはハードウエア固有の情報が必要なため,簡単にはUSB接続のCD-ROMからモデムのモードには切り替えられません。