インターネットは個人間の取引を加速させてきました。金融分野でもP2P融資という新しい仕組みが生まれています。ソーシャル・レンディングと呼ばれる場合もあります。

 P2P融資は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のように専用のサイトで行われます。借り手はサイトに入会して、希望する借金額や金利、予定する使途などを掲載します。場合によっては、写真や収支状況、友人による補足説明を信用情報として掲載し、貸し手との質疑応答にも応じます。

 貸し手は、その情報を見て希望する貸し出し金利や融資可能額を入札します。そうしてサイト上でマッチングが行われ、サイト運営者は融資の成立に応じて手数料を徴収します。

 借り手と貸し手にとっては、金融機関を介在しないことで、お互いにとって良い金利で貸し借りができる可能性があります。

 米国では2006年から米プロスパー・マーケットプレイスが「プロスパー」というサイトを運営しています。日本でも2007年にプロスパーと提携しSBIプロスパー(東京・港)を設立したSBIホールディングスや、maneo(東京・千代田)がサイトの運営に名乗りを挙げています。ただし、事業開始には金融庁の許可が必要であり2008年7月現在、まだ見通しは立っていないようです。