図1 仮想化ソフトは動作のしくみから,ホストOS型とハイパーバイザ型の2種類に分かれる
図1 仮想化ソフトは動作のしくみから,ホストOS型とハイパーバイザ型の2種類に分かれる
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 ハイパーバイザ型仮想化ソフトとは,ハードウエアを直接制御する機能を持ち,OSと同じようにハードウエア上で直接動く仮想化ソフトのことである(図1の右)。

 仮想化ソフトは動作方法の違いから,このハイパーバイザ型のほか,ホストOS型がある。順に説明しよう。ホストOS型は,Webブラウザやメール・クライアントといった通常のソフトウエアと同じように,汎用のOS上で動くものだ(図1の左)。この汎用のOSを「ホストOS」と呼ぶ。一方のハイパーバイザ型は,前述の通りOSと同じようにハードウエア上で直接動作する。

 そのためハイパーバイザ型には,仮想マシンを作り出す「仮想レイヤー」という部分にホストOSが入らないためシンプルな構造になっている。同一のハードウエアでホストOS型とハイパーバイザ型をそれぞれ稼働させた場合,一般にハイパーバイザ型の方が仮想マシンの処理性能が高くなるといわれている。ただし,ホストOS型は汎用のOS上で使える分,手軽で利用しやすいというメリットがある。

 では,仮想化ソフトのネットワークはどのようになっているのだろうか。たとえば米ヴィエムウエアのハイパーバイザ型仮想化ソフトの場合,「仮想スイッチ」もしくは「ソフトウエア・スイッチ」と呼ばれる機能が中心になって動く。仮想マシンの仮想NICは,仮想スイッチ上に設定した「仮想ポート」と接続する。この仮想スイッチを一言で言えば,「VLANに対応したレイヤー2スイッチ(L2スイッチ)」である。

 一方,米ヴイエムウェアのホストOS型仮想化ソフトの場合は,(1)ブリッジ,(2)NAT,(3)ホストオンリー――の三つのモードの仮想ネットワークを利用できる。