図1 サービス加入前の端末には,OMA-DMというデバイス管理機能を使ってユーザーIDやパスワードといった加入者情報を書き込む
図1 サービス加入前の端末には,OMA-DMというデバイス管理機能を使ってユーザーIDやパスワードといった加入者情報を書き込む
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 OMA-DMとはopen mobile alliance-device managementの略で,モバイル関連のアプリケーションの標準化を進めるOpen Mobile Allianceが策定したデバイス管理機能のことである。サービス加入前の携帯端末に対して無線経由でIDとパスワードを端末に書き込む,といった用途で使われる。

 実際のサービスに使われている例を以下で説明しよう。UQコミュニケーションズが提供するモバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」では,WiMAX搭載ノート・パソコンやモバイルWiMAX端末を家電量販店などで購入できるようになる。これらを購入したユーザーは,オンラインでプロバイダを選んで契約できる。このオインラインによる契約のしくみを支えるのがOMA-DMである。

 そのしくみは次のようになる。購入した端末をUQ WiMAXのサービス・エリア内でパソコンに挿すと,最初に端末が電波をキャッチして,初期接続のためのやりとりを始める。この段階ではどのプロバイダとも契約していないので,端末内のメモリーにはユーザーIDやパスワードが書き込まれていない。

 そこでUQ WiMAXは,プロバイダ契約のための接続を一時的に許可する(図1の1)。この段階でユーザーのパソコンのディスプレイには,「WiMAXポータル」と呼ばれるプロバイダ一覧の画面が表示される(同2)。

 ユーザーがプロバイダを選択すると,端末はプロバイダのサーバーに接続する。ここで申し込みの手続きをする(同3)。登録したユーザー情報はプロバイダとUQコミュニケーションズの認証サーバーに送信される(同4)。さらに,UQコミュニケーションズが持つOMA-DMサーバーにも送信される。

 OMA-DMサーバーは,前述のようにネットワーク経由で端末を管理するサーバーで,ユーザーIDやパスワードを端末に書き込む機能を備える。OMA-DMサーバーは,無線経由で端末に接続しプロバイダから送られてきたユーザー情報(ユーザーIDとパスワード)を端末内のメモリーに書き込む(同5)。こうして次の接続から,認証を経てネットワークに接続できるようになる(同6)。