CASBEE(Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency)は,財団法人「建築環境・省エネルギー機構(IBEC)」によって開発された,建築物を環境性能で評価するシステムです。環境評価ツールは,イギリスのBREEAM,アメリカのLEED,カナダのGBToolなどがあり,日本に先行する形で普及が進んでいます。

 CASBEEでは,環境性能効率をBEE(Building Environmental Efficiency)と呼ぶ指標で評価します()。BEEは,建築物の環境品質・性能(長寿命化,設備の更新性など)を表す「Q」と,建築物の環境負荷(省エネ,資源の再利用など)を表す「L」をそれぞれ点数化し,Q/L(QをLで割った数値)で算出します。BEEによって,対象となる建築物の環境性能を,S,A,B+,B-,Cの5段階にランク分けします。

図●CASBEEでは,BEEと呼ぶ指標で評価する
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 CASBEEには,建築物のライフサイクルや目的に応じてさまざまなツールがあり,CASBEEファミリーと呼ばれています。CASBEE-新築,CASBEE-改修,CASBEE-H(ヒートアイランド)などがその例です。

 地球温暖化防止への取り組みとして,一定規模の建築物に対して建築主がCASBEEの自己評価を行い届け出ることを義務化している自治体もあります。

 データセンターにおいても,いわゆるグリーンITの取り組みとしてCASBEE評価を行い,その結果を積極的に公開する事業者も出始めています。

大成建設 IT施設計画室
室長 諏訪 浩一

IT施設計画室は,データセンターの企画・設計を手掛けるデータセンターの専任部署。データセンターに適した土地かどうかの調査や,データセンターの設計・施工に豊富な実績を持つ。同社のIT部門に所属していた担当者が多く,現場のシステム運用を理解していることも強み。データセンター・プロジェクトチームは,IT施設計画室を核として,各部門の専門家が集まった組織。諏訪氏はプロジェクトチームの一員。