「デジタルサイネージ」とは、施設や交通機関の車内など屋外に設置したディスプレーを用いて広告動画を流すメディアを指します。例えば、山手線や中央線、京浜東北線などJR東日本の車内モニターに広告映像を流すサービス「トレインチャンネル」がその代表例です。

 イベント施設内やスクランブル交差点の前などに大型ディスプレーを置いて広告を流していた例は1990年代半ばからありましたが、ここ数年、IT(情報技術)業界や広告業界の間で、新しい広告メディアとしての期待感が急速に高まっています。

 その背景にあるのはネットワーク技術の進歩です。初期のデジタルサイネージはあらかじめ動画コンテンツを手作業でディスプレー用の端末に保存して運用していましたが、今ではデータ・センターからブロードバンドで一斉に送信したり、パソコンなどと同じ規格の無線LANを導入したりして、コンテンツを必要に応じて更新することが簡単にできるようになっています。

 そこで、広告メディアとしての認知度向上や普及に向けて、2007年6月にデジタルサイネージコンソーシアムが設立されました。広告会社や、ハードウエア/ソフトウエアのベンダー、通信サービス会社など2008年5月末現在で71社が参加しています。まだ未確立な広告効果の測定方法などを検討しています。