図1 ショートカット・ウイルスは3タイプある これまで発見されている主なタイプを示した。
図1 ショートカット・ウイルスは3タイプある これまで発見されている主なタイプを示した。
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 ショートカット・ウイルスとは,ウイルスによる発病を招き寄せるショートカット・アイコンのこと。ショートカットかと思ってクリックすると,ウイルスを実行してしまう。これまでに三つのタイプのショートカット・ウイルスが発見されている(図1)。

 第1のタイプは,ウイルス本体とそのウイルスへのショートカット・アイコンをパソコンに置いていくものだ。デスクトップだけでなくスタートアップ・フォルダにもショートカット・アイコンを作成するので,OS を再起動するたびにウイルスを実行してしまう。

 第2のタイプは,パソコン・ユーザーが作成したショートカット・アイコンのリンク先にウイルスへのリンクを書き足してしまうものだ。自分が作ったショートカット・アイコンなので,ユーザーは何の疑いも持たずにクリックしてしまう。しかもウイルスだけでなく,元から設定していたリンク先のアプリケーションやファイルも起動するように書き足されるので,ユーザーはウイルスに感染したことに気が付かない。

 第3のタイプは,ショートカット・アイコンに悪意あるスクリプトを組み込んでいるものだ。ショートカット・アイコンには,OSのコマンドライン・シェル(cmd.exe)に自分のスクリプトを引数として渡すように設定してある。スクリプトが起動することでパソコンは外部の不正なサーバーにアクセスし,さらにウイルスを呼び込む。

 第1と第2のタイプが単にリンクとしてショートカットを使うのに対し,第3のタイプはショートカットそのものが悪意あるスクリプトであり,一種のウイルスになっているのが特徴だ。