床荷重とは,床の積載能力を意味します。一般のオフィスビルが300~500kg/平方メートルで作られているのに対し,データセンターでは1.0t/平方メートル以上が必要です。最近では1.5t/平方メートルや2.0t/平方メートルといった大きな床荷重を設定する例も増えています。その要因としては,サーバーの高集積化により1ラック当たりの重量が増えていること,ストレージのような重量機器が増えていることなどが挙げらます。

 通常,床荷重はスラブ(床板)の積載能力を指します。本来,積載可能な荷重を算出する場合,建物の主要構造部である柱,梁,壁の強度も含めて検討しなければなりません。また,地震時の揺れを考慮に入れることも忘れてはならず,総合的な見地から設置可能な荷重を算出する必要があります。

 既存建物の改修によるデータセンター構築の場合,この床荷重がネックとなります。かつては,オフィスビルをデータセンターに改修することも行われていましたが,最近は大きな床荷重を持つということで,倉庫の改修が主流です。

大成建設 IT施設計画室
課長 諏訪 浩一

IT施設計画室は,データセンターの企画・設計を手掛けるデータセンターの専任部署。データセンターに適した土地かどうかの調査や,データセンターの設計・施工に豊富な実績を持つ。同社のIT部門に所属していた担当者が多く,現場のシステム運用を理解していることも強み。データセンター・プロジェクトチームは,IT施設計画室を核として,各部門の専門家が集まった組織。諏訪氏はプロジェクトチームの一員。