外出先でノートパソコンなどを使ってデータ通信する際に、オフィスと比べて気になるのが通信速度の遅さです。通信規格が新世代に変わるたびに通信速度は上がってきましたが、解像度の高い写真や動画データなどのやり取りはまだスムーズとはいえません。

 しかし、早ければ2010年にも携帯電話の通信速度を大幅に速くする次世代通信規格「LTE」が登場します。NTTドコモの「FOMA」などに代表される第3世代移動通信(3G)方式の1つ、W-CDMA(広帯域・符号分割多元接続)を拡張した技術ともいえるため「スーパー3G」と呼ばれたり、3G向けの周波数帯を使いながら第4世代携帯電話にほぼ近い技術を採用することから「3.9G」と呼ばれたりもしています。

 W-CDMAの標準規格を検討する団体である3GPPで技術的な作業が進められて、LTEに求める要求条件の概要は決まっています。最大データ伝送速度は下りで100Mビット/秒以上で、上りが50Mビット/秒以上となっています。

 既にNTTドコモは2007年7月から実証実験を開始し、2009年までに技術的な検証を完了する計画です。携帯電話でストリーミング映像を見ることができたり、高速な対戦ゲームなど様々な動画コンテンツを屋外でも楽しめたりする時代がすぐそこまで来ています。