アフィリエイトは広告主が自社の商品を紹介してくれる提携サイトを募り、提携サイト経由で成約した場合、一定の金額や売り上げの一部を報酬として還元する仕組みだ。広告主は成果が上がったときにのみ報酬を支払うため、費用対効果は高い。ただし、ユーザーが毎月利用料金を支払う有料サービスの会員獲得を対象とした場合、費用対効果が悪化するケースがある。報酬額が月額料金よりも高く、報酬額の回収前に契約者が解約してしまう場合だ。

 ケータイの有料課金型コンテンツ提供サイトがまさにその状況。「月額料金の1.5倍くらいをアフィリエイトの報酬として支払うのが通常」(アクセルマーク取締役モバイル事業統括本部長の田島満氏)だという。ユーザーの継続利用を想定し、リスクを抱えて報酬を支払っているのが現状なのだ。

 にもかかわらず、ケータイのコンテンツ提供サイトの解約率はおしなべて高い。流入経路によっては、初月の解約率が60~80%ということもざらにあるという。

 そこで少しずつ普及の兆しが見え始めているのが、ライフタイムコミッションという契約形態だ。提携サイト経由で入会したユーザーが契約を続けている限り、広告主が毎月提携サイトに報酬を支払うという仕組み。その代わり、初月の報酬額を月額料金よりも低く設定する。この仕組みの場合、初月で仮にユーザーが解約しても、損失は発生しない。「米国では継続的に利用するレンタルサーバーなどで適用されていることが多い」(インデックスのコンテンツプロダクト局モバイルマーケティングユニットチームリーダーの小川亮氏)という。今後、日本でも徐々に広がっていきそうだ。