アーカイブは,日本語で「書庫」や「公文書」に直訳されますが,ファイル・システムの世界では「複数のファイルやディレクトリをまとめて管理する単位」を意味します。アーカイブ・ファイルを圧縮したモノを「圧縮アーカイブ」と呼びます。WindowsやMac OSで使用される圧縮ファイルのフォーマット「ZIP」は,圧縮アーカイブの1種です。
アーカイブ・ファイルを作成するソフトウエアのことを「アーカイバ」や「アーカイブ・ソフト」と呼びます。Linuxディストリビューションで利用する代表的なアーカイバは「tar」コマンドです。tarコマンドは「Tape ARchives」の略で,その名の通りテープ・ドライブにデータをバックアップするために使用されていたコマンドです。現在では主に,アーカイブ・ファイルを作成する際に使用されます。
tarコマンドの書式を以下に示します。
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例えば,「docs」ディレクトリを一まとめにして「docs.tar」を作成するには以下のコマンドを実行します。
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圧縮アーカイブを作成するには,以下のコマンドを実行します。
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オプションの「-z」は,「gzip」の略でgzip形式で圧縮することを意味します。gzip形式で圧縮したアーカイブ・ファイルの拡張子は「.tar.gz」になります。その他のオプションはアーカイブを作成するコマンドと同じです。
例えば,docsディレクトリをgzip形式で圧縮してdocs.tar.gzを作成したい場合は次のコマンドを実行します。
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アーカイブ・ファイルを指定したディレクトリの下に展開するには,次のコマンドを実行します。
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オプションの「-x」は,「eXtract」の略でアーカイブの展開を意味します。
例えば,「docs.tar」を「myDocs」ディレクトリ以下に展開するには次のコマンドを実行します。
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上記コマンドに「-z」をオプションを付ければ,圧縮アーカイブ・ファイルを展開(解凍)できます。例えば,「docs.tar.gz」を「backup」ディレクトリ以下に展開するには次のコマンドを実行します。
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