資源採掘から製造,販売,廃棄に至るまで,商品のライフサイクル全般にわたって排出された温室効果ガスをCO2排出量に換算して表したもの。「炭素の足跡」という意味。商品パッケージなどにCO2排出量をラベル表示して“見える化”することで,事業者の温暖化抑止への取り組みを消費者にアピールし,環境に配慮した購買行動を促すために用いられる。

 一方,事業者に対しては,サプライチェーンを通じた企業のCO2排出量を正確に把握することで,環境に配慮した商品開発に取り組むための指標の一つになる。

 英国は特にカーボン・フットプリントに積極的に取り組んでいる。政府主導の下,温室効果ガスの算定に関する規格「PAS2050」の作成が進められており,国際標準化機構(ISO)のカーボン・フットプリント規格化作業においても主導権を取るべく動いている。カーボン・フットプリントに関する実験プロジェクトも実施され,2008年2月時点で20社75品目にCO2排出量ラベルを付けて運用している(図1)。また,スーパーマーケットの最大手テスコは7万点の商品すべてにCO2排出量ラベルを付けると発表した。

 日本では2008年6月9日に発表された「福田ビジョン」の中で,カーボン・フットプリントの制度化を表明。これを受けて経済産業省は,「カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会」を6月17日に設置した。当面,CO2排出量の算定方法や表示・評価に関するルールの検討を進めていく。活動の一環として,12月に開催される「エコプロダクツ2008」において,研究会に参加する約30社が,カーボン・フットプリントを算定・表示したサンプル商品を出品する予定だ。

図1●英国で運用されているカーボン・フットプリント
資源採掘から製造,販売,廃棄に至るまで,商品のライフサイクル全般にわたって排出された温室効果ガスをCO2換算してラベル表示する。出典:経産省 カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会 第1回会合資料