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Value Engineering

2008/09/02
杉山 泰一=日経情報ストラテジー
出典:日経情報ストラテジー 2008年3月号  p.29
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 価値分析の1つ。製品やサービスの「価値」を、それに対して利用者が求める機能とコストの関係で分析した後、機能向上やコスト削減などによって「価値」を高める手法。

 デジタルカメラを購入する時、どんな点に注意しますか。画素数や携帯性や液晶サイズやレンズ倍率などいくつかの機能に関して「これは欲しい」というものを決めて優先順位をつけ、価格とのバランスで選ぶ人が多いのではないでしょうか。

 このように、ある商品に対して利用者が感じる価値は様々です。しかし、売れる商品を作るためには、ターゲット層が重視する価値をきちんと分析し、調達や製造や物流などにかかるコストとの最適なバランスを見極めることが大切です。こうした見極めに実績がある手法が「バリュー・エンジニアリング(VE)」です。

 VEは、1947年に米ゼネラル・エレクトリックのローレンス・D・マイルズ購買部長が開発し、60年ごろから日本企業も導入し始めました。当時は製造業の資材の購買部門に導入されました。今では企画や設計、製造、間接部門などコストが発生するあらゆる業務で、製品やサービスの開発、業務改善などに使われています。

効果◆限られたコストで価値を高める

 VEは製品やサービスの利用者から見た「価値」を機能とコストの関係で把握した後、機能向上やコスト低減などによってその「価値」を高めるためにどうしたらいいかを、チームを組んであらゆる角度から考え出します。

 VEに関する国内外の情報を提供し、日本企業へのVEの普及を目的とした団体として、社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会があります。会員企業には、トヨタ自動車や日産自動車、松下電器産業、キヤノン、オムロン、川崎重工業、シャープなど国内の大手製造業各社が名を連ねます。協会は、VE活動のリーダーを務めるために必要な基礎知識を持つ「VEリーダー」の資格試験の実施機関にもなっています。

 協会によると、VE活動の基本手順は次の通り。(1)VE活動の対象テーマを決め、適切なチームを編成、(2)関連情報を収集し、利用者目線で機能を定義、(3)各機能を実現するための現状コストと目標コストと価値を分析、(4)全体の価値を高めるための改善案を作成、(5)実施計画を立てる─といった具合です。

事例◆トヨタなど製造業から他業種へ

 トヨタなど製造業ではVEの導入企業は枚挙にいとまがありません。最近は、国策として数年前から建設業界でも「VE設計」に注目が集まっています。国土交通省や都道府県が発注する道路改良などの建築案件で、設計段階でのVEが盛んになってきているのです。コスト削減と地域住民のニーズの把握が強く求められている事情が背景にあります。

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