環境問題への関心の高まりから、省エネに対する取り組みが活発です。その代表例は二酸化炭素やメタンなどの排出量を1990年に比べて先進国全体で少なくとも5%削減する目標を97年に定めた京都議定書です。日本は6%の削減目標が設定され、達成目標時期が2008年~2012年と間近に迫っています。

 オフィスで電気をこまめに消すなど省エネに対する取り組みは進んでいますが、最も電源消費が大きいのがサーバーといったIT(情報技術)機器です。24時間常時電源を入れる機器が多く、省エネで運用できる機器や運用体制が年々求められています。

 IT関連の省エネ対策を総称して、「グリーンIT」と呼びます。米調査会社のガートナーが、2008年の戦略的キーワードとして筆頭に挙げるなど注目されています。

 国内でも、「グリーンITの日本」をアピールする狙いで経済産業省とIT関連分野の業界5団体が2007年12月に「グリーンITイニシアティブ」を立ち上げて、第1回会議を開催しました。参加団体の1つである情報サービス産業協会は床面積当たりの電力消費量を業界全体で2006年度比で2012年までに1%削減するといった目標を掲げています。さらに、2008年度からは経産省が「グリーンITプロジェクト」を開始し、IT機器の省エネ化を奨励する予定です。