電源投入直後のコンピュータは,ハード・ディスクなどからデータを読み出して,そこに記録されたオペレーション・システム(OS)を直接起動できません。通常は,BIOS内に記録された小さいサイズのプログラムを実行できるだけです。ブート・ローダーは,BIOSがシステムの初期化を行った後に最初に読み出すプログラムです。このプログラムからいくつかのプログラムを繰り返し実行することで,OSが起動できるようになります。

 BIOSは,あらかじめ設定された内容に合わせて,ハード・ディスクや光学ドライブ,USBメモリーにある先頭部分に記録されたブート・ローダーを実行します。この先頭部分は,わずか512バイトとサイズが小さいため,ブート・ローダーも大した作業ができません。

 ブート・ローダーは,各パーティションの先頭に記録された「ブート・マネージャ」というプログラムを読み出します。「2次ブート・ローダー」と呼ばれることもあります。

 ブート・マネージャには,LinuxではGNUプロジェクトが開発した「GRUB」(グラブ)やLILO(リロ)などがあり,Windowsでは「Windows Boot Manager」が有名です。

 ブート・マネージャーは,設定ファイルの内容を参照して,指定されたパーティションに記録されたOSを起動します。ブート・マネージャーによっては,設定ファイルに複数のOSの情報を記録することで,OSを切り替えて実行するようにできます。また,ブート・マネージャーが別のブート・マネージャーを起動して,そのマネージャーに制御を移すこともできます。