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2008/07/01 日経BPガバメントテクノロジー

文・上瀬 剛(NTTデータ経営研究所 情報戦略コンサルティング本部 シニアマネージャー)

 「eLTAX」(エルタックス)とは、地方税ポータルシステムの呼称で、地方税における手続き申告、申請、納税などの手続を、インターネットを利用して電子的に行うシステムのことです。利用者にとっては、従来であれば各自治体の窓口に出向かなければならなかったところが、電子的な一つの窓口から、(eLTAXを導入している)各地方自治体にまとめて手続きできるようになる点がメリットです。

 現在、電子政府・電子自治体の取り組みの一つとして自治体間での業務、システムの標準化・共同利用の必要性が叫ばれることが多くなっています。eLTAXによる税務事務の共同化はこうした取り組みの中では代表的な事例といえます。各自治体に課税自主権は権利としてあるものの、地方税について基本的には全国同一の法律が適用されている点、納税者も利便性の面で統一的な手続きを望む傾向が(他の自治体の行政サービスと比べ)強い点が、共同利用に向く理由として大きいとされています。

 2004年から、国税で国税電子申告・納税システム(e-Tax)が導入されることとなったのを機に、地方税についても電子申告の検討が開始されました。しかし、国税と異なり、地方税は課税主体及び課税関連の業務管理主体が各地方自治体であることから、関係自治体間での協議・調整の場が必要でした。

 そこで、自治体の開発から運用におけるコスト負担及び使い勝手の面から、共同開発、共同運用で足並みをそろえるため、地方税電子化協議会が設立され(2006年4月に社団法人化)、開発費等の費用負担に関する団体間の意見調整等を経て、eLTAXは、2005年1月に稼動を開始しました。2005年に6府県で始まり、2006年には全都道府県・13政令指定都市が参加、都道府県、政令市以外では、相模原市や秋田市、田辺市もサービスを開始しており、2008年6月現在、47都道府県・18市がサービスを行っています。

 eLTAXの利用は、2005年の稼動開始以降しばらくは、利用件数はゆるやかな伸びにとどまっていました。その理由としては、

  1. 申告の際に必要である電子証明書(地方自治体、法務省等で発行)の普及が伸び悩んでいたこと
  2. 税者の代理で税理士が電子申告する際でも、法人代表者の電子署名が必要であり、納税者にとっては業務の効率化が期待できるものではなかったこと
  3. 参加自治体が限られていること
eLTAXの普及状況
図1●eLTAXの普及状況 [画像のクリックで拡大表示]

などが考えられますが、2007年4月以降は大きな伸びを示しています(右図)

 こうした急激な伸びの主な要因としては、税理士による電子申告の増加が挙げられます。法人税と(個人)所得税が中心の国税に対し、地方税は法人住民税や事業税など企業が支払の中心であるため、税理士の役割が大きいといえます。2007年度の税制改正により、税理士が納税者の代理で電子申告する際に、法人代表者の電子署名等の省略が可能となりました。また、国税の電子申告(e-Tax)の急速な普及に伴い税理士にも電子証明書の普及が進んできたことが、税理士による地方税の電子申告が増えた背景にあると思われます。

さらなる普及促進の要素と、今後の課題

 2009年10月から、個人住民税の公的年金からの特別徴収が開始されますが、その際に、市区町村と社会保険庁との地方税に係るデータのやり取りの中継業務をeLTAXが担う予定となっています。現在eLTAXの利用は都道府県、政令市といくつかの市にとどまりますが、年金業務にまでeLTAXが使えるようになれば、業務効率化効果の大きさから導入する市区町村が一気に増えることが期待されています。

 納税者視点に立った普及促進の取り組みも始まっています。例えば、2008年1月から給与支払報告書の電子申告が開始されました。住民税の特別徴収に関する事務を行う際、企業は従業員の給与支払額を市町村に通知すると、市区町村は他の所得も合わせて住民税額を決定し、企業に特別徴収税額の決定通知書として折り返し通知をするという手順が踏まれます。これまで企業は、こうした通知のやり取りをそれぞれ各自治体に紙文書を郵送するか持参するかで行ってきましたが、eLTAXを利用すればオンライン経由でまとめて一度に行なうことができるため、企業/自治体双方の業務負荷が軽減されるようになります。

 eLTAXの普及によって納税者の地方税関連の手続業務の効率化が進んでいくことが期待される一方、今後の課題としては、自治体側の業務効率化にeLTAXをどう活用するかという点が挙げられます。

 eLTAXを導入していても、基幹システムと完全に接続されていない自治体では、eLTAXが受信したデータをわざわざ紙出力してパンチ入力を委託するという作業を行っていることがあります。eLTAXによる便益(業務効率化効果)を十分に発揮するためには、基幹システムと連携し自治体内でのデータの受け渡しがオンラインで行われることが必要です。

《参考サイト・記事》

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