インターネットを通じて動画を配信するサービスが続々と登場しています。パソコンで手軽に見られるUSENの「ギャオ」や米ユーチューブなどです。また、専用端末を介してテレビ向けに有償でサービスを提供しているのはソフトバンク系のBBケーブル(東京・港)やNTT系のオン・デマンド・ティービー(東京・渋谷)などです。

 一般の大画面テレビでもインターネットを通じて映像を見る環境が整えば、番組を配信する放送会社がさらに登場しやすくなるでしょう。そこで通信業界や家電業界で注目を集めているのが「IPTV」です。

 広義でのIPTVはインターネットを介して映像を配信するサービスすべてを指しますが、狭義のIPTVは、国際標準化機関のITU-T(国際電気通信連合の電気通信標準化部門)が策定した通信手順に従った配信サービスを意味します。この通信手順はコンテンツ保護やインタフェースなどを考慮したものです。

 実は国際標準化活動に先駆けて、日本国内の通信会社や家電メーカー、テレビ局などが共同でIPTVの国内標準仕様を「IPTVフォーラム」の場で2007年度内をメドに定める見通しです。

 IPTVには地上デジタル放送波の難視聴地域に映像を再送信する手段としても期待がかけられており、総務省はIPTVを普及させたい考えのようです。