コールセンター業務に特化した品質認証規格。アウトソーシング業者がサービス品質を証明する目的で取得するケースが主だが、自社の業務改善に利用する企業もある。

 アウトソーシングが活発に行われているコールセンター業務について、企業間でノウハウを共有しようという機運が1990年代に米国で高まりました。コールセンター業者に業務を発注する側の大手ユーザー企業が中心になって、どのような形で目標設定やPDCA(計画・実行・検証・見直し)が実行されていれば、コールセンターの業務品質は高まるのかを協議したのです。

 こうして作られた品質認証規格が「COPC-2000」です。COPCの初期版は1996年に策定。米国のマルコム・ボルドリッジ国家品質賞を参考に作られたといわれています。

 米COPC (カスタマー・オペレーションズ・パフォーマンス・センター)社が認証制度を運用しており、日本国内ではプロシード(東京・港)が代理店となって導入支援や監査を行っています。

効果◆体系的なノウハウを得られる

 コールセンター業務の品質の良しあしには様々な視点があります。利用者からの電話がつながるか、折り返し電話を約束した場合に一定時間内に電話しているか、オペレーターの言葉づかいはどうか、などです。ですが、細かく挙げていくのは大変だと感じる人も多いでしょう。

 COPC-2000を導入すれば、比較的短期間で体系的かつ網羅的な業務品質の管理体制を作ることができます。COPC-2000は30以上の基本項目から成り、各項目においてどのように業務品質を維持していくべきかが詳細に示されています。

 例えば、「取引業務のモニタリング」という項目では、「新人のオペレーターは、少なくとも業務開始直後の1カ月間、週に最低1回のモニタリングを受けること」とあったり、あるいは「計画」のレビュー要件には「計画に対するパフォーマンスの月次分析を盛り込む」とあったりします。

 COPC-2000は、1年に1回、審査を受けないと継続できない厳しい認証制度です。従来はアウトソーシングを受ける側のコールセンター業者が品質証明のため認証を得るのが主流でした。ここ数年は発注側企業や、センターを自社保有する企業が、品質改善に利用する動きも出始めています。

事例◆自社のコールセンターで認証取得

 ソニーの100%子会社、ソニーマーケティングは、自社で運営するコールセンターの業務品質向上に活用しています。AV(音響・映像)製品の購入前の問い合わせなどに対応する「お客様ご相談センター」で、2003年にCOPC-2000の認証取得活動を開始。折り返し電話の顧客満足度が向上するといった成果を得ました。