システムのセキュリティ・ホールを悪用し,メールやファイル共有以外の経路で侵入し,ユーザーの操作なしに感染活動を行うワームを特にネットワーク・ウイルスと呼ぶ。

 メールの添付ファイルなどで広まるウイルスとは異なり,セキュリティ・ホールがあるコンピュータはネットワークに接続しているだけで感染する。このため,新品のパソコンや再インストールしたパソコンでWindows Updateを行うためにネットワークに接続した途端に感染してしまう。感染コンピュータは,セキュリティ・ホールのあるコンピュータへの侵入・感染活動を繰り返し,次から次へとねずみ算式に驚異的なスピードで感染が広がる。また,ネットワーク内に1台でも感染パソコンが存在すると,再感染が発生したり,ウイルスの不正パケットによるネットワーク負荷増大が発生する。

 ネットワーク・ウイルスに感染したコンピュータの社内ネットワーク持込による内部感染が多発したことで,検疫ネットワークやパーソナル・ファイアウォールといった対策方法が注目されるようになった。