SEMとは、検索エンジンマーケティング(Search Engine Marketing)の略。Yahoo!やGoogleなどのロボット型検索エンジンの検索結果ページから、企業サイトや商品紹介サイトへのアクセス促進を図るマーケティング手法。よく似た用語であるSEOは、SEMの実現方法の一つである。

 SEMには大きく分けて以下の二つの実現方法がある。

  • 検索エンジンの検索結果画面の上位にWebサイトが表示されやすいように、WebサイトのHTML記述などを調整するSEO(検索エンジン最適化)
  • 検索エンジンの検索結果画面内の専用スペースに掲載される検索連動型広告(グーグルの「AdWords(アドワーズ)」やオーバーチュアの「スポンサードサーチ」など)を利用する方法

 後者は、一般にクリックごとに費用が発生するPPC(ペイ・パー・クリック)広告であり、「ペイドリスティング(paid listing)」とも呼ぶ。一方、前者は広告ではなくコンテンツとしての検索結果であるため表示やクリックに費用はかからない。ペイドリスティングに対して、「オーガニックリスティング(organic listing)」「ナチュラルリスティング(natural listing)」「アルゴリズミックリスティング(algorithmic listing)」と呼ぶ。

 インターネットユーザーの9割以上は、探し物をする際に検索エンジンを利用し、検索エンジンを利用するユーザーは目的意識を持って検索を行っている。つまり、自社のビジネスに関連の深いキーワードで検索を行っている人は、有望な見込み客とみなせる。このため、検索エンジンから自社のWebサイトに誘導する手段としてSEMを重視する企業が増えており、コンサルティングサービスを提供するベンダーも増加している。

 また、2006年に入って、携帯電話事業者各社が検索サービスとの連携を強化。検索連動型広告の提供も本格化してきたため、パソコン向けとは別に携帯電話でのSEMへの関心も高まっている。携帯電話向けには、グーグルやヤフーに先行して、サーチテリア、ビットレイティングス、ウェブドゥジャパン、シーエー・モバイルなどが独自の検索サービス/検索連動型広告を展開してきているため、SEMはパソコン向けよりも複雑になる。