バズマーケティングとは、いわゆるクチコミを利用したマーケティング手法。バズ(Buzz)は、もともと“ブーン”という虫の羽音を表し、転じて群衆がうわさ話でざわめいている状況を指す。

 本来は、良質なバズの発生を目的として、商品やサービス、ブランドに関する世の中一般に流通している話題の量(バズ)を最大化するためのマーケティング活動を指す。ただし現在は、マスメディア広告などに頼らずに消費者同士のクチコミを利用して販売促進につなげる「バイラルマーケティング(Viral Marketing)」と同義に用いられることが多い。「バイラル」とは、もとの「ウイルス性の」から派生した「感染的な」という意味である。米国では、クチコミそのものを指す“Word of Mouth”の略語「WOM(ワム)」を用いてWOMマーケティングとも呼ぶ。

 クチコミの創出や拡大・伝搬には、ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)といったインターネット上のコミュニティ系サービスを利用する動きが広がっている。成功すると短期間で数万~数百万人規模へクチコミを広げられるからである。クチコミを生み出すために、人気のあるブロガーなど、ターゲットとする消費者層に強い影響力を持つ人(インフルエンサー)を起点に利用したり、複数のインフルエンサーを組織化して使う手法も登場している。

 商品に対する消費者の使用感や印象を潜在顧客の購買の動機付けに利用するという点では、比較サイトや物販サイトでの消費者自身の商品評価の掲載も、クチコミの発生を期待したマーケティング手法と言える。一方、インフルエンサーに対価を支払うなど、より意図的にクチコミを起こす場合は、マーケティングの一環であることを明らかにしておかないと批判を浴びることがある。当該商品の販売会社の社員が一消費者を装ってクチコミを起こそうとして、糾弾された実例がある。

 ネット上のコミュニティを利用したバズマーケティングを販促支援のサービスメニューとして提供している企業としては、サイバー・バズ、CGMマーケティング、インフォバーン、はてな、グリーなどがある。