UNIX系のOSで使われる電子化されたマニュアルのことです。多くのソフトウエア(コマンド)が,man対応のマニュアルを用意しています。これらは,専用のコマンドやGUIのビューア・ソフトを使って,閲覧できます。
例えば,コマンドラインでpasswdコマンドの使い方を調べるときは
$ man passwd
と実行します。実行結果は,写真のようになります。次ページを見るときはスペース・キー,前ページに戻るときはbキー,文字列を検索するときは「/文字列」,終了するときはqキーを入力します。
manには,そのコマンドの使い方のほかに,コマンドが作成するファイルのヘルプや管理者権限で実行する際のヘルプなども用意されています。この場合は,manコマンドの後に,ファイルに関するものなら「5」を,管理者に関するものなら「8」を入れて実行します。ちなみに前述のように省略した場合は,「1」を指定したことになります。これらを「セクション番号」と呼びます。例えば,passwdファイルのヘルプは
$ man 5 passwd
と実行します。
なお,コマンドによっては,英語表記のみ,もしくは英語と日本語の両表記のmanが用意されていることがあります。通常は,日本語が優先されて表示されますが,英語を表示したい場合は,明示的に
$ LANG=C man passwd
と実行します。日本語表記のmanは,英語版を翻訳していることが多く,英語表記の方が最新の内容になっていることがあります。
manと同じような電子化マニュアルには,GNUプロジェクトが開発した「info」があります。こちらは後発なため,manより高機能ですが,対応マニュアルを用意しているコマンドは,manの方が圧倒的に多くなっています。