消費者が書き込むブログや口コミ掲示板などの「ソーシャルメディア」で自社のウェブサイトに掲載した商品や話題を取り上げてもらい、ネット上で口コミを広げる手法。

 商品・サービスを購入する前に、まずインターネットの検索エンジンで販売サイトの情報を探すという消費者が増えています。そこで、検索エンジンで少しでも上の位置に商品や販売サイトが表示されるように工夫する手法としてSEO(検索エンジン最適化)が脚光を浴びてきました。

 しかしネットを利用する消費者は賢くなっており、検索エンジンで見つけた情報だけで直ちに商品を購入するという人は減っています。検索エンジンだけではなく、ブログ(日記式の簡易サイト)や口コミ掲示板などに掲載された購入者の「生の声」を判断材料にする傾向が強くなっているのです。

 そこで自社の商品やサービスを、ブログや口コミ掲示板などでも話題にしてもらう必要性が高まってきました。こうした背景から「SMO(ソーシャルメディア最適化)」という概念が注目されています。ソーシャルメディアとは、電子掲示板・口コミ掲示板、ブログ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ソーシャルブックマークなど、消費者が主体となって内容を書き込むサイトの総称です。

◆口コミの書き手を取り込む

 SMOの基本的な考え方は、自社のウェブサイトが口コミ情報の書き手の目に少しでも触れるようにすること、そして、読んでもらった後に、口コミ情報を書くための手間を省いてあげるような仕掛けを作ることです。

 例えば、自社のサイトの更新情報を簡単にまとめ、「RSS(サイトの要約・更新情報配信用の文書形式)」ファイルとして掲載しておくことで、露出度を上げようとするのもSMOの手法の1つです。

 さらにウェブを読んだ人が口コミ情報を投稿するまでの手間を省けるように、ページ内にソーシャルメディアへのリンクボタンを作っておくこともSMOの手法です。いずれもさほどコストがかからない手法なので、今後はサイト運営者の常識になっていくでしょう。

 ブログの執筆者に報酬を支払って商品を話題にしてもらうといった取り組みもSMOの一種だと言えなくはありません。ただし、行き過ぎたやり方であるとしてSMOとは区別する考え方が一般的です。

◆ソーシャルブックマークへの投稿を促進

 トヨタ自動車やホンダのサイトでは、RSSで新車発売などの情報を配信しています。ヤフーが運営する「Yahoo!ニュース」では、新聞社などが配信したニュース記事に各種ソーシャルブックマークへのリンクボタンを配置しています。読者が、記事への感想や批評をソーシャルブックマークに書いてくれるよう促す狙いがあります。