図 Twitterでは,「今自分が何をしているか」や「興味あること」などを各ユーザーが“つぶやき”として気ままに書き込み,それをお互いがリアルタイムに観察できるようにするしくみを提供する
図 Twitterでは,「今自分が何をしているか」や「興味あること」などを各ユーザーが“つぶやき”として気ままに書き込み,それをお互いがリアルタイムに観察できるようにするしくみを提供する
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 Twitterとは,ユーザー同士が“つぶやき”を共有できるWeb2.0系の新サービスである。とくに誰かと会話をするわけでもなく,なんとなく人の輪の中に加わって自分の存在をアピールしたり,ほかのユーザーの発言に耳を傾けたりする──。こんな従来にないユーザー同士をゆるい関係でつなぐタイプのコミュニケーションを実現するサービスである。「Twitter」とは,日本語で「(ぺちゃくちゃ)しゃべる」という意味の英単語で,登場以来にわかにインターネット・ユーザーの注目を集めている。

 Twitterを理解するには,やはり実際の利用イメージを見るのが手っ取り早い。サービスを使うには,公式Webページ(http://twitter.com/)にアクセスして,ユーザー名やパスワード,メール・アドレスなどを登録するだけ。すぐに誰でも利用できる。登録したユーザー・アカウントでログインすると,専用のユーザー・ページが表示される(図)。ページ上部には「What are you doing?」(何をしているの?)と書かれたテキスト入力欄がある。ここにコメントを書き込んで「Update」ボタンをクリックすると,自分のコメントが投稿され,ページ下部に投稿時刻順に表示される。

 Twitterが面白いのは,このコメント表示欄にほかのユーザーのコメントを自由に取り込んで表示できるという点だ。気になるユーザーがいたら,知り合いだろうが赤の他人だろうが,とにかくどんどん「友達」として登録する。すると,以後それらのユーザーが書き込んだコメントが自分のページに次々と表示されるようになる。

 Twitterでは,このように自分から見てコメントを取り込む対象となるユーザーを「Friends」,逆に自分のコメントを取り込んでいるユーザーを「Followers」と呼ぶ。ポイントは,Friendsが実際の友達関係ではなく,一方的な観察状態を示しているという点。こうしたしくみによって,人間関係が希薄な“ゆるいコミュニケーション”を実現しているわけだ。にもかかわらず,実際に使ってみると,他人のコメントを読んでいるうちになぜか不思議と連帯感のようなものが生まれるのがとても面白い。

 自分の状態を細かく周囲に通知できるという意味で,プレゼンス機能の進化版ともいえるこのサービス,APIを公開しているということもあり,今後IP電話との連携などさまざまな派生サービスが登場しそうだ。