Service Level Agreementの略。IT関連サービスの提供者が、サービスの内容や品質を利用者に保証する取り決めを指す。システムの企画・開発・運用だけでなく、ネットワーク、ヘルプデスクなど幅広いサービスが対象になる。最近では、新たなSLAの対象として、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)が浮上している。

 一般にSLAでは、サービスの範囲やサービスの品質を評価する指標、指標に基づく品質の目標値―などを取り決める。

 サービスの範囲については、「会計システムの稼働時間は営業日の午前8時から午後7時まで」、「売り上げデータは毎日バックアップする」といったことを決める。品質評価の指標では、サービス品質を測る方法を定義する。例えば、「システムの稼働率」を指標として使う場合は、サービス範囲として決めた「営業日の午前8時から午後7時までのうち、実際にシステムを利用できた時間の比率」といったことを定義する。

 SLAの導入メリットは、提供者と利用者の双方が、サービスの品質について具体的な議論できること。コストと品質の関係も見極めやすくなり、費用対効果の透明性が増す。

 SLAは従来、通信事業者やアウトソーシング事業者などがサービス利用企業と取り決めるケースが多かった。これに続いて、社内(システム部門と利用部門)やグループ内(システム子会社と事業会社)でSLAを決める例が登場するようになった。