LinuxなどUNIXの特徴や機能を受け継いだOSでは,ハード・ディスクやCD-ROMドライブなどのブロック・デバイスを利用する際,ツリー構造を採るファイル・システムにマウント(接続)してからアクセスします。mtab(mounted filesystem table)ファイルは,マウントされたデバイスを記録するために用いられるテキスト・ファイルです(写真1)。/etcディレクトリの下に存在します。
一方,Linuxの起動時,デフォルト(初期設定)でマウントされるデバイスは,fstab(/etc/fstab)ファイル(写真2)に記述されています。fstabには,どのようなデバイスがデフォルトでマウントされるべきなのか,また,マウントする際,どこにどのようにマウントするのかが記述されています。
fstab以外にmtabが必要な理由は何でしょうか。手動でmountコマンドを利用した場合や,オートマウント機構が働いた場合,fstabに記述がないデバイスがmtabに記録されます。例えば,写真1では,写真2には記述がないUSBメモリー(/dev/sdb1)が表示されています。
なお,umountコマンドがデバイスをアンマウントする際,mtabファイルを参照し,書き換えています。以下のように,aオプションを付けて実行すると,mtabにあるすべてのファイル・システムをアンマウントしようとします。
# umount -a