写真1 Fedora 7の標準的な/etc/mtabの内容。デバイスごとに6列の情報が記述されている。1列目から順に「マウント対象となったブロック・デバイスの名称」,「デバイスのマウント位置」,「デバイスにあるファイル・システム」,「マウント時のオプション」,「ファイル・システムをダンプするかどうか」,「システム起動時にfsckコマンドの対象とするか」が記録されている。
写真1 Fedora 7の標準的な/etc/mtabの内容。デバイスごとに6列の情報が記述されている。1列目から順に「マウント対象となったブロック・デバイスの名称」,「デバイスのマウント位置」,「デバイスにあるファイル・システム」,「マウント時のオプション」,「ファイル・システムをダンプするかどうか」,「システム起動時にfsckコマンドの対象とするか」が記録されている。
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写真2 Fedora 7の標準的な/etc/fstabの内容。mtabと同じくデバイスごとに6列の情報が記述されており,記述内容も同じだ。ただし,fstabではdefaultとあるマウント時のオプションが,mtabではrw(読み書き可能)に置き換えられている。
写真2 Fedora 7の標準的な/etc/fstabの内容。mtabと同じくデバイスごとに6列の情報が記述されており,記述内容も同じだ。ただし,fstabではdefaultとあるマウント時のオプションが,mtabではrw(読み書き可能)に置き換えられている。
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 LinuxなどUNIXの特徴や機能を受け継いだOSでは,ハード・ディスクやCD-ROMドライブなどのブロック・デバイスを利用する際,ツリー構造を採るファイル・システムにマウント(接続)してからアクセスします。mtab(mounted filesystem table)ファイルは,マウントされたデバイスを記録するために用いられるテキスト・ファイルです(写真1)。/etcディレクトリの下に存在します。

 一方,Linuxの起動時,デフォルト(初期設定)でマウントされるデバイスは,fstab(/etc/fstab)ファイル(写真2)に記述されています。fstabには,どのようなデバイスがデフォルトでマウントされるべきなのか,また,マウントする際,どこにどのようにマウントするのかが記述されています。

 fstab以外にmtabが必要な理由は何でしょうか。手動でmountコマンドを利用した場合や,オートマウント機構が働いた場合,fstabに記述がないデバイスがmtabに記録されます。例えば,写真1では,写真2には記述がないUSBメモリー(/dev/sdb1)が表示されています。

 なお,umountコマンドがデバイスをアンマウントする際,mtabファイルを参照し,書き換えています。以下のように,aオプションを付けて実行すると,mtabにあるすべてのファイル・システムをアンマウントしようとします。
# umount -a