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トレーサビリティーシステム
トレーサビリティーシステムとは

Traceability System

商品の生産・流通過程を追跡する仕組み。消費者が流通経路をさかのぼって検索できるだけでなく、企業においても不良品が発生したときに迅速な対応が可能となる。

 最近焼肉を食べに行くと、店内で10ケタの数字が表示された看板を目にします。国産牛を食材として提供する場合、顧客が見える位置に表示することを2004年12月に牛肉トレーサビリティー法で流通業者に対して義務付けたからです。

 牛肉の流通にとどまらず、「どういった飼料を食べて育ったのか」「産地はどこか」「添加物は含まれているのか」といった消費者の疑問に応えるために、食品会社や外食チェーンが生産履歴や流通過程などを消費者自ら確認できる仕組みを導入する事例が相次いでいます。それが「トレーサビリティーシステム」です。

 当初のトレーサビリティーシステムでは、流通経路の各段階で、いつ出荷したのかといった情報を収集するために、バーコード管理をすることが一般的でした。しかし、より多くの情報を記録する必要性からICタグやQRコードを活用する企業も出ています。

◆効果 信頼獲得だけでなくリスク管理にも効果

 ここ数年で消費者の食品全般に対する危機意識は高まりました。発端は2001年のBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)発生や牛肉の産地偽装事件でしょう。さらには牛肉にとどまらず、2002〜2003年に様々な食品の安全性が話題になりました。例えば高濃度の残留農薬が検出された冷凍野菜、鳥インフルエンザの流行などです。

 トレーサビリティーシステムの効果は、こうした危機意識を持つ消費者に産地などの情報を公開できるだけではありません。製造業者にとって、出荷後の商品の行方を簡単に追跡できるメリットもあります。その意味では、食品業界だけでなく、医療機器や自動車など、製品欠陥が人命にかかわるような業界にとっても有益な仕組みです。

 トレーサビリティーシステムによって、欠陥のあるロット部品がどの完成品に組み込まれて市場に流通しているのかを把握できます。

 ほかにも、廃車となった自動車や医療廃棄物が法令で定められたとおり適正に処理されているかどうか、ICタグを活用して確認する動きもあります。

◆事例 生産者を表示

 菓子メーカーのカルビー(東京・北)はトレーサビリティーシステムを活用した消費者からの信頼獲得に取り組んでいます。

 同社の定番商品のパッケージに5ケタの番号を印字しており、この数字から製造ライン番号や製造時間帯、原材料の生産地や生産者などを参照できます。消費者は、2007年1月から同社のウェブ・サイト上にこの5ケタの番号を入力することでこうした情報を入手できます。

(西 雄大=日経情報ストラテジー)  [2007/06/19]
出典:日経情報ストラテジー 2007年3月号  39ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

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