写真1 /tmpに対してls -alを実行したところ
写真1 /tmpに対してls -alを実行したところ
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写真2 あるファイルにスティッキー・ビットを追加した
写真2 あるファイルにスティッキー・ビットを追加した
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 スティッキー・ビットは,LinuxなどのUNIX系OSにおけるファイルのアクセス権限の一つです。スティッキー・ビットを用いると「すべてのユーザーが書き込めるものの,所有者だけしか削除できない」といったアクセス権限を設定できます。このため,ディレクトリ,特に/tmpディレクトリや/var/spool/mailディレクトリなどに対して設定される場合が多いのです。

 例えば,/tmpディレクトリにスティッキー・ビットを設定すると,/tmp内に(1)どのユーザーであっても自由にファイルを作成し,読み出し,書き込み,実行ができ,(2)作成されたファイルは作成者以外には削除できず,アクセス権限も変更できない,となります。

 スティキー・ビットが設定されたファイルやディレクトリは,写真1のようにアクセス権限の末尾に「t」という文字が表示されます。

 ファイルやディレクトリにスティッキー・ビットを追加するには,chmodコマンドを使います。写真2ではスティッキー・ビットが大文字の「T」で表示されています。これは,実行可能権限が与えられていないファイルやディレクトリにスティッキー・ビットを追加したためです。