ウェブ2.0という言葉を提唱したティム・オライリー氏は、ネット上で発表した論文「What Is Web 2.0 ?」の中で、具体的なサービスの例を掲げてウェブ2.0のコンセプトを説明しています。ウェブ2.0に該当するオンライン百科事典として取り上げられたのが「ウィキペディア」です。

 ウィキペディアの最大の特徴は、誰でも新しく項目を追加したり、既存の記事を編集できることです。さらに、収録している項目に関連する出来事が起こった場合、即時に記事に反映されることも特徴の1つです。記事を編集するのも、参照するのも無償です。

 ウィキペディアでは編集者に対して何らかの資格を求めているわけではないので、内容の正確性が保証されているわけではありません。ただし、誤った記述あるいは誹謗(ひぼう)中傷などが書かれた場合には、後に修正されることがほとんどです。各記事には、その項目について議論する場(「ノート」と名付けれられている)が設けられており、内容の正確性や、掲載するに値するキーワードであるか否かといったことが活発に議論されています。

 本家である英語版のウィキペディアは2001年1月に発足。同年5月に日本語版を含む13の非英語版サイトが発足しました。日本語版に収録している記事数は、2006年10月22日時点で27万5680にも達しています。