写真1 info libcの実行結果例
写真1 info libcの実行結果例
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 glibc(GNU C Library)は,GNUプロジェクトにおけるCの標準ライブラリ(http://www.gnu.org/software/libc/libc.html)。Linuxにおいても標準Cライブラリとして使われている。

 もともとは米Red Hat社のRoland McGrath氏によって開発が始まった。glibc 2はLinuxの標準Cライブラリ5(libc5)に置き換わる形で追加されたため,5の次,すなわちlibc6(libc.so.6)と呼ばれることもある。

 標準Cライブラリとは,複数のコマンドやプログラムで繰り返し使われる関数をくくりだして一つにまとめたもの。glibcとしてまとめることにより,ファイル容量とメモリー占有量を節約できるほか,関数のバージョン管理,アップデートが簡便になるというメリットがある。

 glibcに機能が集約されているため,X Window Systemを利用しないのであれば,Linuxカーネル,シェルを含む少数のコマンド,Cコンパイラであるgcc,そしてglibcだけで,最小限のLinuxシステムを構成できる。

 glibcはあらゆるコマンドのほか,Linuxカーネルからも呼び出されるため,実に多様な機能を内蔵している。メモリー管理,プロセス管理,入出力,ファイル操作,文字列処理,数学関数,タイム・ゾーン・データベースなどの日付管理,ユーザー管理,暗号処理などである。もちろん,プログラム開発に役立つデバック支援機能なども含まれる。これほど多数の機能が,glibc 2.5では約20Mバイトにまとまっている。

 glibcの機能一覧を表示するには,Linuxのターミナル画面から「info libc」(写真1)と入力すればよい。