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電子行政:キーワード

EBH

Evidence Based Health

2007/03/08 日経BPガバメントテクノロジー

文・石井 恭子(日立総合計画研究所社会システム・イノベーショングループ 主任研究員)

 近年、EBH(Evidence Based Health)に対する関心が高まっています。EBHとは、「科学的根拠に基づく健康」と訳されます。医療や健康に関する科学的な根拠のあるデータを、ITを用いて活用することで、国民の健康を維持し、病気の予防を推進することを指します。

 医療や健康に関するデータとは、例えば体温、心拍数や血圧といったデータだけでなく、運動量や食事の内容なども含まれます。こうした個人のデータを蓄積し活用することで、医療費の抑制に結びつくような適切な予防策や健康増進策の推進が期待できます。また、各個人が自らのデータに基づいて自分に適した健康づくりができるようになります。

 地方自治体にとっても、EBHは無関係ではありません。住民の高齢化による医療費の増大が、地方自治体の財政を圧迫することが予想されるからです。効果的で地域の実情に即した予防や健康増進の施策を推進することで、医療費を抑えていくことが求められています。

 加えて、2008年からは、医療保険者である国民保険組合などに、5か年の「特定検診・特定保険指導計画」を立案して、標準的な検診・保健指導プログラムを実践することが義務づけられます。こうした施策が効果を挙げるためには、関連するデータの蓄積と活用が必要となるため、ITの活用は欠かせません。

 千葉県では、経済産業省の2004年度の健康サービス産業モデル事業として、つくばウェルネスリサーチ、イオンなど民間事業者との間で「千葉県健康づくりコンソーシアム」を構成。ITを活用したe-wellnessシステムを開発し、EBHに基づく健康増進プログラムを提供しました。

 具体的には、健康づくり教室型(大多喜町、習志野市)、ドラッグストア型(習志野市)、観光・健康サービス融合型(かずさ地域、鴨川地域)の3タイプのモデル事業を実施しました。高機能歩数計を用いて歩数、消費カロリー、運動実施の有無、体組成データ、エアロバイクデータなどの日々の活動状況を記録し、そのデータを健康づくり教室やドラッグストアに設置された端末からデータベースに取り込みます。

 そのデータベースを基に、市町村が健康関連教室の運営をする際に必要な情報や、参加者の健康づくりを支援するための情報などの提供を行いました。個人負担が生じたにもかかわらず、健康づくり教室型では223人が、ドラッグストア型では137人が参加し、90%以上の参加者が3カ月後も運動を継続していました。

■高齢化社会の本格到来に不可欠の仕組み

 EBHが推進される背景には、(1)高齢化社会の進展による医療費増加の抑制、(2)国民の健康に対する意識の高まり、という行政、国民側それぞれのニーズがあります。高齢化社会の本格到来を見越して、政府の医療・健康関連政策もEBHを後押ししています。2000年に政府は、壮年期死亡の減少、健康寿命の延伸および生活の質の向上を目的として、1次予防の重視、健康づくり支援のための環境整備、目標などの設定と評価、多様な関係者による連携のとれた効果的な運動の推進を基本方針とした「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」を発表しました。

 また2002年には、国民の栄養の改善を含む国民の健康増進と、国民保健の向上を図ることを目的として、「健康日本21」を法制化した健康増進法が制定されました。政府として栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康づくり、などの9項目について目標を設定し、産官学の連携のもとで目標達成に向けて取り組むことになっています。

 2005年12月に政府・与党医療改革協議会の医療制度改革大綱が発表されましたが、その中で予防を重視することが重点方針として掲げられました。特に糖尿病・高血圧症・高脂血症などの生活習慣病を重点的に予防するために、運動する習慣の定着や食育の推進を含めたバランスのとれた食生活の定着を図る「国民運動」を展開することになりました。この「国民運動」を効果的に実践していく際にも、関連するデータが必要となることは言うまでもありません。

 このように、健康づくりに関する目標を設定し、定期的に評価しながら目標を達成するためにも、EBHを普及させて関連データを蓄積することが必要と言えます。今後、地方自治体でEBHを導入・普及させるには、(1)個人情報の保護体制の確立、(2)健康づくりをコーディネートできる人材の育成、(3)民間活力の活用、の3点が重要となると考えられます。

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