商品・サービスなどに関するインターネット上の書き込みを自動監視するサービス。商品の改良や、中傷などに対するリスク管理に活用できる。

 最近、「ウェブ2.0」という言葉をよく耳にします。その本質は、インターネット上の掲示板やブログなどを使って、個人が誰でも気軽に情報を発信できることにあります。以前なら、情報を発信する個人は一部のマニア層に限られていたかもしれません。しかし、今では子供や主婦など幅広い層が、昨日買った電気機器の使い勝手や、今日行ったレストランの味などについて書き込んでいます。

 「ネット評判監視サービス」は、こうしたネット上の書き込みを自動監視し、その傾向などを報告するサービスです。批判や中傷にいち早く対応できるよう支援します。

◆効果 書き込みを察知

 例えば、自社のレストランについて、「店員の対応がひどい」といった書き込みが多数あれば、まず企業は書き込みの存在にできるだけ早く気づき、事実かどうかを確認し、事実ならば店員の教育を見直すといった対策を実行する必要があります。ひょっとすると競合店の関係者が事実無根の書き込みをしているのかもしれませんが、いずれにしても、早く気づくことが重要です。

 こうした書き込みは、Googleなどの検索エンジンを使い、社名のキーワード検索によって見つけることもできます。しかし、社名などの簡単なキーワードで引くと検索結果が膨大過ぎて、深刻な内容の書き込みを見過ごしてしまう恐れがあります。

 また、検索エンジンで自社に関する悪評を見つけた時には、時既に遅しでネット利用者に広く読まれた後、という可能性があります。ウェブサイトが検索エンジンに登録されるには、一般に数日~数十日かかるからです。

 その点、ネット評判監視サービスは、評判に関する情報を探すことに特化した独自の検索ツールを活用して、より迅速に探し出せることを特徴としています。特定のキーワードを含む書き込みを毎日自動検出するばかりでなく、「日○BP社」といった伏せ字も検出できたり、文章内容を解析して否定的な内容かどうかを自動判定できたりするなどのツールを提供します。既に複数のサービス提供会社が登場しています。

◆事例 自治体が活用

 2006年10月に、佐賀県庁がネット評判監視サービスを活用し、「佐賀」に関連する書き込みを毎日チェックしていることが報道されました。誤った書き込みに対しては訂正を求めるなどし、地域ブランドの向上に努めているそうです。

 ただし報道の直後から、監視の取り組み自体を批判する声がネット上で広がってしまいました。ネットの世界では、監視活動自体が反感を買う可能性があることも知っておく必要があります。