図 050番号を使うSkypeInサービスのしくみ
図 050番号を使うSkypeInサービスのしくみ
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 ルクセンブルクのスカイプ・テクノロジーズが提供するインターネット電話サービス「Skype」の付加サービスで,ユーザーが専用の電話番号を取得し,その番号にかかってきた電話をSkypeで受けられるようにするもの。ユーザーがSkypeInに契約すると,固定電話や携帯電話からの電話をSkypeで着信できるようになる。

 このSkypeInサービス,日本国内ではこれまで,米国や英国,フランス,香港といった国/地域の電話番号で契約できた。しかし,これらの電話番号を使う場合,国内からの電話もいったん海外を経由して着信していた。このため,国内から電話をかける場合でも国際通話分の料金がかかったり,遅延が大きくなるなどの難点があった。

 こうした難点を解消するものとして登場したのが,「050」で始まる電話番号を取得して,その番号あての電話をSkypeで着信できるサービスだ。SkypeInに050番号が使えるようになったことで,通話料は国内の050番号にかけるのと同じになり,遅延も小さくなる。

 日本国内でのSkypeInのサービスは,フュージョン・コミュニケーションズの「Multi-Gateway for Skype」という技術を使っている。一般の電話から050番号でSkypeを呼び出すまでのしくみは次の通りだ(図)。

 ユーザーがSkypeを利用するには,あらかじめスカイプのWebサイトでSkypeInサービスを申し込み,050で始まる電話番号を取得しておく。ユーザーが050番号を取得すると,スカイプのWebサーバーは050番号とユーザーのSkypeのIDを対応付けた情報を「FUSION Multi-Gateway」に登録する。これで準備は完了だ。

 一般の電話から050番号に電話をかけると,まずFUSION Multi-Gatewayにつながる。FUSION Multi-Gatewayは電話を受けると,あて先の050番号に対応するSkypeのIDを割り出し,インターネット経由でこのIDを呼び出す。ユーザーのSkypeに着信すると,着信側のパソコンには呼び出し画面と発信元の電話番号が表示される。